新型コロナワクチン接種について
最近リウマチ患者さんよりコロナワクチンを打っても良いかと聞かれることが多いので、日本リウマチ学会の意見を紹介します。
ワクチン接種は注射するリスクとコロナ感染のリスクを比較して決めることになります。
利点
- 重症化しにくい、重症化しなくなる
- 現在までの変異にはある程度効くこと
欠点
- ワクチンの種類が今までになく初めてのものであること
- アナフィラキシーなどの重篤なアレルギーや、局所反応が認められること
- 現在または今後のウイルス変異に対応できるかどうかわからないこと
コロナウイルス感染後、重症化しやすいリスクとしては高齢者、肺疾患、心疾患、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、肥満です。
またリウマチ性疾患に関してはステロイド(PSL:プレドニゾロン5mg/日以上)、免疫抑制剤(リウマトレックス、アザルフィジン、リマチル、アラバ、プログラフ、ブレデイニン、ケアラム)、生物学的製剤、JAK阻害薬を使用している人は優先して接種した方が良いと考えます。
ワクチンを打つことによって病気にどのような影響が出るかはわかっていません。
しかし病気がコントロールされていない状態では接種は勧めません。
ファイザー社のワクチンは接種後数か月は効くと考えられ、その感染予防率は海外の報告では95%とされています。
接種は以上のことを検討し、個人の意思で判断すべきというのがリウマチ学会の見解です。
当院としては発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの副反応が報告されていることより、リウマトレックスを内服している方は接種の週は内服中止を勧めています。
また生物学的製剤の注射をされている方は、間隔を一週間開けることを勧めています。